阿倍王子神社からほど近い場所に、平安時代に活躍した高名な陰陽師である安倍晴明を祀っている「安倍晴明神社」があります。京都にある「晴明神社」は安倍晴明の邸宅があった場所とされており、大阪の「安倍晴明神社」は生誕の地と伝えられています。
学問技芸の上達や災難病難除災など多岐に渡るご利益があるといわれており、小さな神社の境内には、「安倍晴明公の銅像」や「生誕の地の碑」が建立されている他、「産湯井(うぶゆい)の跡」もあり、晴明誕生の秘話が伝えられています。
それでは安倍晴明神社を見ていきましょう。
- 神社名:安倍晴明神社(あべのせいめいじんじゃ)
- ご祭神:安倍晴明公
- ご利益:火難痛難災除・厄除け・良縁・学術技芸・安産
- 住所:大阪市阿倍野区阿倍野元町5-16(Googleマップ)
- 営業時間:11:00~16:00(授与所)
- 駐車場:無料駐車場無し※近隣の阿部王子神社の駐車場が利用可能
- アクセス:阪堺上町線「東天下茶屋駅」下車 東南へ徒歩5分
五芒星輝く神額
旧熊野街道に面した静かな住宅街の中に鳥居が立っており、鳥居の右脇には「安倍晴明神社」、左脇には「安倍晴明生誕伝承地」と刻まれた石碑が立っています。
神額には安倍晴明のトレードマークであります五芒星がありました。
この五芒星は桔梗の花の形に似ていることから、別名「晴明桔梗印」と呼ばれています。
陰陽道における五芒星は、互いに交差する長さの等しい5本線で構成され中心に五角形が現れる図形です。この世に存在するあらゆるものを「木・火・土・金・水」に当てはめる五行思想を形にしたものだそうです。
木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、 水は木を生むという、生の循環を意味してるそうです。逆に木は土の栄養を奪い、土は水を吸い上げ、水は火を消し、 火は金を溶かし、金(刃物)は木を倒すというように相手を滅ぼす意味も含まれているそうです。
五芒星には魔除け果があり、安倍晴明もこの五芒星を魔除けとして活用していました。
手水舎の龍神様
手水舎の左側には江戸時代から使われている「ガマ井戸」があり、手水舎の水もそこから汲み上げられています。
龍神様とは、雨と水を支配する神様です。
仏教では八大龍王、陰陽道でも天の東西南北と中央に五龍神がおり、天空を支配しているといわれてます。その昔、安倍晴明が雨乞いのご祈祷をした際に、この五龍神に祈って大雨を降らせたといわれています。
阿倍王子神社の末社として復興された社殿
大阪市阿倍野区にある安倍晴明神社は、陰陽師として活躍した天文博士・安倍晴明がご祭神としてお祀りされています。
社伝「安倍晴明宮御社伝書」によると、晴明が亡くなったことを惜しんだ花山法皇が、晴明没後2年の1007年(寛弘4年)に晴明の子孫に命じ、晴明の生誕地に社殿を建立したのがこの神社の始まりだと記されているようです。以来、晴明の子孫である保田家が社家として代々奉仕しました。しかし江戸時代末期には保田家の没落と共に神社は衰退し、一時期は石碑と小祠を残すのみとなっていたそうです。
1921年(大正10年)社家の保田家の子孫が旧社地を寄進し、50m南にある阿倍王子神社の末社として復興され、1925年(大正14年)に現在の社殿が建立されたそうです。
晴明誕生の地は他にも諸説ありますが、現在は阿倍野が一番有力とされています。
お賽銭箱の上には願掛け色御幣がありました。
御幣にとりつけられた紙垂は赤・黄・緑・黒・白の5色あり、幣串の表に名前・年齢・干支を記入し、裏に願い事を書いて祈願されます。(初穂料700円)
泰名稲荷神社
鳥居をくぐるとすぐ右手に泰名稲荷神社があります。
社名は安倍晴明の父・安倍保名(やすな)の名にちなんで泰名稲荷大神と名付けられています。
しかし、御祭神は泰名ではなく宇迦之御魂大神のようです。
安産祈願のパワースポット!!
左側の「安倍晴明誕生の地」の石碑は江戸時代の文政年間に泉州堺の住人、神奈辺大道心が建立したものです。
また右側の大石は古代の船の錨(いかり)として使用されていたそうで、今では安産を祈願して帯を「しめる」(鎮める)と掛け、孕み石(はらみいし)として信仰されています。
安倍晴明が産湯に浸かったとされる跡地は安産祈願のパワースポットとしても人気だそうです。
父は阿倍野の豪族だった「安倍保名」、母は「葛之葉」(くずのは)と名乗る「白狐」の間に生まれた伝説があります。
「葛之葉伝説」によると、大阪・和泉の信太明神(しのだみょうじん)にお参りしていた保名が、あるとき狩人たちに追われ傷ついた白狐を助けます。その後、白狐は女性の姿となり葛之葉と名乗って保名のところへ現れます。やがて二人は結ばれて「安倍童子」(晴明の幼名)が生まれたといわれています。
「恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」
童氏が5歳の時に葛之葉の正体が白狐であることがばれた際、葛之葉が夫(保名)と子(童子)に向けて、障子に書き残した歌として有名です。そして葛之葉は信太の森へ帰ってしまいました。
保名と童子は悲しみに暮れ、信太森へ行く事を決意します。森をさまよっていると葛之葉が姿を現し、葛之葉は童子の成長を願い、水晶玉と黄金の箱、そして霊力を授かったといわれています。
安倍晴明の実物大像
境内を見守るように立つ銅像は、ご祭神である安倍晴明の像で実物大とされています。
安倍晴明は陰陽師「賀茂忠行」に弟子入りして陰陽道を学び、天文道を修得しました。占いやお祓いは、宇宙理論に基づいて自然観測と記録、暦づくり、時刻の測定などの科学的な研究と知識から編み出されたといわれています。
陰陽師として活躍していた晴明は、占いや陰陽道の儀式の効力高く、村上天皇・花山天皇・一条天皇・藤原道長など、天皇や権力者からの信頼を得て、師匠筋である賀茂家と並ぶ陰陽道の大家としての地位を、晴明一代で築き上げました。
宮中の行事の日程を占ったり、天変地異を予知したり、 大江山の鬼退治を指導したとも伝わっています。
葛之葉霊狐の飛来像
晴明像のとなりにあるのは「葛之葉霊狐の飛来像」です。
狐であったといわれる安倍晴明の母、葛之葉が信田の森から飛来する姿をイメージした銅像だそうです。狐は古来より特殊な霊力を持っているといわれており、安倍晴明も狐の霊力を受け継ぎ、天才陰陽師として数々の活躍をしたといういわれています。
安倍晴明神社ならでは「占いコーナー」
安倍晴明にちなんで、社務所の隣には安倍晴明公顕彰会による日替わりの占いコーナーがあります。
四柱推命・姓名・風水・手相・タロットカード・気質診断・情報推命学など、曜日ごとに占いの先生が変わります。(予約不要)
社務所において受け付けされているそうです。
場所:社務所内
開催時間:13時~17時(受付は16時30分)
価格:2000円~
お守り・御朱印・絵馬(授与所)
安倍晴明のトレードマークともいえる五芒星のお守りが数多くありました。
「安倍晴明神社御守(黒色・赤色)」(初穂料1000円)
魔除け・災難除け・病気平癒・交通安全を願い、持ち歩くと良いそうです。
「安倍晴明神社御神札」(初穂料1000円)
神棚にお祭りする他、魔除けや厄除けのお札として部屋の壁に貼って拝みます。
「五芒星の防災・招福のステッカー守」(初穂料300円)
車や自転車、ノートなど大事なものにはれるシールタイプです。
「水晶五芒星ペンダント守」(初穂料3800円)
丸形の水晶に五芒星が彫られてあるペンダント状の御守です。首紐の部分は長さ60cmのチェーン付きです。
葛の葉きつねのおみくじ
水晶を抱いた白狐の置物状のおみくじで、底面からおみくじを取り出した後、持ち帰って自宅に飾ることができるため、参拝記念としても人気があります。
丸みのあるシルエットが可愛らしい造りです。
絵馬には、安倍晴明と陰陽道五芒星がデザインされてました。(初穂料700円)
御朱印には、五芒星の印が押されています。
社務所がご不在の際は、安倍晴明神社より50mほど離れた阿倍王子神社で拝受していただけます。(御朱印:初穂料500円)
安倍晴明神社のアクセス
- 神社名:安倍晴明神社(あべのせいめいじんじゃ)
- 住所:大阪市阿倍野区阿倍野元町5-16(Googleマップ)
- 営業時間:11:00~16:00(授与所)
- 駐車場:無料駐車場無し※近隣の阿部王子神社の駐車場が利用可能
- アクセス:阪堺上町線「東天下茶屋駅」下車 東南へ徒歩5分
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