天満宮は菅原道真の怒りを鎮めるため!?牛・梅などの由来は

    全国各地に鎮座します菅原道真公を祀った天満宮・天神社があります。「学問の神様」で学業成就・合格祈願のご利益がある!それは間違いもなく事実なのですが、実は菅原道真を祀ったきっかけは「祟りを鎮める為」だったことはご存知でしょうか。

    ではどういう風にして現在の菅原道真=学業成就のご利益になったのか。

    目次

    菅原道真とは

    天満宮・天神社や菅原神社は菅原道真公(すがわらのみちざね)をご祭神として祀っています。代表的な神社は福岡県太宰府市に鎮座します「太宰府天満宮」と京都市上京区に鎮座します「北野天満宮」です。

    菅原道真は平安時代の貴族・学者・漢詩人・政治家で学問の名家に生まれて文章・詩歌(しいか)に優れ政治では右大臣までのぼりつめました

    • 詩歌…漢詩と和歌。詩と歌
    • 右大臣…朝廷の最高機関で太政官(だいじょうかん)の一つ

     

    しかし、その才能に恐れた左大臣の藤原時平(ふじわらのときひら)などにより、無実の罪に問われ九州に左遷(させん)されます。そしてその2年後に道真は大宰府の地で身の潔白を訴えながら59歳の若さで亡くなります

     

    すると都では天変地異(てんぺんちい)が続発します。

     

    道真を無実の罪に陥れた藤原菅根(ふじわらのすがね)は雷に打たれて亡くなり、藤原時平(ふじわらのときひら)は39歳の若さで病死した。

     

    それに対し人々は道真の怒りが招いたものだと考えました。そのため朝廷では道真の位階を右大臣に戻し、さらに太政大臣(だいじょうだいじん)の位を贈るなど道真の怒りを鎮めることに努めました。

     

    当時の人々は非業(ひごう)の死を遂げた人の魂に対して、畏れ(おそれ)と敬意を込めて御霊(ごりょう)と呼びました。

    ※御霊神社。京都市上京区に鎮座します「上御霊神社」と京都市中京区に鎮座します「下御霊神社」

    御霊を鎮め、怒りによる混乱を回復しようとする信仰を御霊信仰と呼びます。

     

    そのような時代背景の中、当時の人々は道真がこの世に怒りを抱き天変・天候を司る火雷天神(からいてんじん)になったと考えました。

     

     

    太宰府天満宮は道真が亡くなった地に廟所(びょうしょ)を建て、その霊をお祀りしたのが始まりです。そして北野天満宮はある神職の息子と巫女に託宣(たくせん)が下り、北野の地に創祀され、朝廷の守護神として篤い崇敬を受けました。

     

    ※太宰府天満宮の創祀は延喜5年(905年)、北野天満宮の創祀は天暦元年(947年)

     

    • 廟所…先祖や貴人の霊を祀ってある場所
    • 託宣…神が人に乗り移ったり、夢の中に現れたりしてお告げをすること

     

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    当初は怒る神や天変の神と捉えられていましたが、次第にその神徳が変化していきます。

     

    道真の生前のご事蹟(じせき)から朝廷の守護神として和歌や連歌の神として、時には火雷天神という天候を司るご神威から農耕の神として、更には無実の罪を晴らす神として信じられ、様々な神として信仰されていきます。

     

    江戸時代になると、学問の神様として寺子屋や藩校などの学校でも祀られました

     

    そのような経緯を経て全国で菅原道真公はお祀りされています。

     

     

    天満宮と神使いの牛

    菅原道真が祀られている天神・天満宮にはどこに行っても牛の像があります。そしてなぜ牛が神使いとしているのか、それには色んな諸説があります。

    • 道真公の生まれ年が承和12年(846年)6月25日で丑年だったから説
    • 道真公がお亡くなりになられた日が延喜3年(903年)2月25日の丑の日だったから説
    • 道真公の遺骨を載せた牛車の牛が座り込んで動かなくなった

     

    天満宮と梅

    道真が愛したと言われる梅。故に天神社・天満宮の神紋は梅です。

    道真が詠んだ和歌「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」(梅の花よ春風が吹いたら匂いを寄越してくれ。主人がいなくても春を忘れるな)

    太宰府天満宮の境内には約6,000本の梅の花があり名所となっています。北野天満宮の境内にも約1,500本の梅の花があり、2~3月には梅苑が行われます。

     

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